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shoの超音波エコー論文めも

このブログではUS(超音波エコー)に関する論文を中心に紹介していきます。また、自分で撮影したエコー画像も添付していきます。

超音波画像診断装置を用いた肩甲上神経の観察

<論文>

Wei-Ting Wu et al: Basis of Shoulder Nerve Entrapment Syndrome: An Ultrasonographic Study Exploring Factors Influencing Cross-Sectional Area of the Suprascapular Nerve. Front Neurol. 2018; 9: 902.

 

<なぜこの論文を選んだのか>

肩甲上神経がエコーで描出できるのか、またその断面積を測定しているということで、画像所見も含めて知りたかったから。

 

<概要>

○目的

参加者の特性による肩甲上神経の特徴および異なるレベルにおける肩甲上神経のCSAを測定し、正常値を知ること。

○対象

堅城成人60名120肩

○方法

鎖骨上窩領域から棘窩切痕までの肩甲骨上神経のCSA値を調査した。

米国内画像法で頸根(C5およびC6)および肩甲骨上神経のCSAを定量化するために、内側神経上膜法および外側神経上膜法を用いた。

異なる年齢群および性別群の間で神経サイズの一変量比較を行った。

参加者の特性が神経CSAに与える影響を分析するために、多変量解析を行った。

起始から窩下窩までの肩甲骨上神経のCSAの分節的変化を調べるために、反復測定分散分析を行った。

○結果

 (1)評価者内および評価者間の信頼性が高かったため、内側神経上膜法は外側神経上膜法よりも信頼性が高かった。
(2)女性は、頸部神経根および肩甲骨上神経の最も近位の部分のサイズが小さかった。
(3)外側神経上膜法を使用した場合、肩甲骨上神経CSAは、鎖骨中央線に近い部分よりもその遠位部が大きかった。

 

<コメント>

肩甲上神経の描出には解剖学的な理解に加えて、ランドマークとなる血管(肩甲上動脈)の描出がポイントになると考えられる。

 比較的小さく映る印象であったが、信頼性が高いという結果であり、今後観察していきたい。

 

sho'sめも

・末梢神経の観察では、その多くが血管と伴走しているため、血管と末梢神経をあわせた解剖学的な理解が必要。

・エコー上の観察ではドップラー機能を使うことで観察しやすくなる。