腕を反復挙上した際の超音波画像診断装置を用いた前鋸筋と僧帽筋の筋厚測定
<論文>
Day JM et al:Thickness of the lower trapezius and serratus anterior using ultrasound imaging during a repeated arm lifting task. Man Ther. 2013 Dec;18(6):588-93.
<なぜこの論文を選んだか>
前鋸筋(以下、SA)や僧帽筋下部線維(以下、LT)のエコー評価に関する論文が少なかったため、どのように描出し評価しているのか知りたかったから。
<概要>
○目的
肩甲骨周囲筋の筋厚測定の信頼性の確立および外部負荷に対する変化について調査すること。
○対象
健常成人14名(男性7名:27±4歳、女性7名:26±4歳)
○方法
安静座位姿勢。
安静時と運動課題中のSA、LTの筋厚を測定
運動課題:負荷なし、1ポンド、2ポンド、3ポンド、4ポンド、25%MVC、33%MVC
信頼性:ICC、Bland-Altman
○結果
いずれの条件においても高い信頼性を認めた。
LT:Bland-Altman=0.006cm、SD=0.007cm:95%一致限界=-0.134~0.146cm
筋厚:安静時<挙上・75%MVC(p<0.01)
SA:Bland-Altman=0.000cm、SD=0.138cm:95%一致限界=-0.28~0.28cm
筋厚:安静時<挙上・75%MVC(p<0.01)
<コメント>
両筋とも非常に信頼性が高いこと、負荷の有無で筋厚に差がないことがわかった。
臨床で肩甲骨周囲筋の機能低下を疑わせる所見がある場合には評価したい。