小円筋のエコー観察
<論文>
Kim HM et al: Sonography of the teres minor: a study of cadavers. AJR Am J Roentgenol. 2008 Mar;190(3):589-94.
<なぜこの論文を読もうと思ったのか>
小円筋は臨床で治療部位となることが多い。そのため、cadaverとの比較をしたエコー観察研究に興味があった。
<概要>
○目的
小円筋の正常な腱付着部と損傷時の両方を同定するため、高解像度超音波検査により死体で評価すること。
○方法
5つの死体肩の小円筋付着部を画像化した。
10-5MHzリニアアレイトランスデューサーを使用して、経験豊富な筋骨格放射線科医がメチレンブルー色素を小円筋付着部の上下に注入した。
その後、肩の後方を切開した。
別の11の死体肩グループでは、6肩に対して小円筋付着部に人工的な損傷を作成した。そして、関節鏡で残りの5肩に偽手術を行った。
関節鏡検査の後、各肩の付着部を画像化し、損傷を検出するため超音波検査の精度を評価した。
○結果:
5つすべての死体肩の小円筋付着部の上縁・下縁に染料が正しく注入されていた。
6つの人工損傷すべてが超音波検査で検出された。
偽手術を行った5肩のうち4肩は正常な小円筋として同定された。
1つは損傷と誤って同定された。
<コメント>
小円筋の観察や同筋の損傷評価にエコーが有効であることがわかった。
cadaverによる損傷した部位を直接エコーで観察していることで、非常に分かりやすかった。