癒着性関節包炎に対する超音波ガイド下の腱板疎部拡張術
<論文>
Yoong P et al:Targeted ultrasound-guided hydrodilatation via the rotator interval for adhesive capsulitis. Skeletal Radiol. 2015 May;44(5):703-8.
<なぜこの論文を選んだか>
<概要>
○目的
癒着性関節包炎の治療のため、腱板疎部(RI)に対して超音波ガイド下拡張術の評価および説明をすること。
○対象
包括基準:保存治療に応答がなかった例
腱板の全層断裂がない例
対象22名(男性3名、女性19名)、55歳(32-71歳)
症状の持続期間:4週間から20ヶ月
○方法
局所麻酔剤とステロイド剤をRIに注射した。
VAS、オックスフォード質問紙表
2週間および4ヶ月の追跡調査した。
○結果
4か月時点で、86%(19/22名)が完全(7/22名)、良好な改善(12/22名)を示した。
VAS:8.4mm(初期)、2.1mm(2週間)、1.9mm(4ヶ月)
初期と4ヶ月で有意差あり(p<0.05)
オックスフォード:13.6(初期)、36.5(4ヶ月)
初期と4ヶ月で有意差あり(p<0.05)
※追跡調査4ヶ月時点で注射以外の理学療法を受けた者はいない
<コメント>
RIは炎症所見を示すことが多く、また疼痛を訴えやすい部位の一つである。その部位への即時的な治療効果だけでなく、長期的に効果が持続する点が興味深かった。
sho’sめも
・腱板疎部とは棘上筋と肩甲下筋の間の領域。肩関節周囲炎症例では同部位に炎症所見を認めることが報告されている。