鏡視下腱板修復術後の超音波画像診断装置を用いた棘上筋の筋萎縮と脂肪浸潤の評価
<論文>
Yong Ki Kim et al:Quantitative Measurement of Muscle Atrophy and Fat Infiltration of the Supraspinatus Muscle Using Ultrasonography After Arthroscopic Rotator Cuff Repair.Ann Rehabil Med. 2018 Apr; 42(2): 260–269.
<なぜこの論文を選んだか>
腱板断裂後のエコーを用いた棘上筋や棘下筋の形態学的変化を観察した研究があったが、修復術後にどのような変化が生じるのか知りたかったから。
<概要>
◯目的
棘上筋の形態学的変化(筋萎縮や脂肪浸潤)を客観的に評価するの超音波検査の有用性について調査すること。
◯対象
年齢59.1±7.4歳
34名(男性12、女性22)
術後3~4ヶ月(右肩27、左肩7)
Full thickness12、Partial thickness22
◯方法
術後3~4ヶ月後に超音波エコーを用いて棘上筋の断面積(CSA)と脂肪浸潤(Echo genecity)を測定し、定量的に評価
肩関節自動可動域、疼痛(VAS)、Constant scoreを測定
棘上筋の形態学的変化と各機能との関連性について検討
◯結果
健側と患側ではCSAおよびEcho genecityに有意差を認めた(p<0.001)
CSAと肩関節屈曲・外旋・Constant scoreとの間に関連性を認めた。
Echo genecityと運動機能との間に関連性を認めなかった。
<コメント>
筋萎縮と機能との関連性があることがわかった。ただ、臨床で棘上筋の筋萎縮を定量的に評価することは難しいため、エコーの有用性が再認識できた。
脂肪浸潤という質的な変化も機能に関連すると感じていたが、関連していなかったため、もしかしたら、他の筋との関連性が強いのかもしれない。
sho'sめも
Constant score
肩の治療成果を評価するため作成した採点方法で、ヨーロッパでよく用いられている。
採点システムは、肩の機能を評価する 4 つの変数で構成されている。
主観的変数:痛み 15 点、ADL(睡眠、仕事、レクリエーション/スポーツ)が 20 点の合計 35 点。
客観的変数:運動範囲が 40 点、強度が 25 点の合計 65 点。