Quadrilateral space syndromeに対する超音波画像診断装置を用いた診断
<論文>
Hamilton Chen et al:Ultrasound-Guided Quadrilateral Space Block for the Diagnosis of Quadrilateral Syndrome. Case Rep Orthop. 2015
<なぜこの論文を選んだか>
QLSのエコー観察をどのような手順で行うのか、またどのような画像として描出されるのか知りたかったから。
<概要>
○目的
この症例報告では、診断用四辺形間隙ブロックのための新しい超音波ガイド下技法を説明し、診断ブロックがQSSの診断に使用された症例を提示すること。
○対象
既往歴のない42歳の女性
9ヶ月間、肩関節外側に疼痛を訴える。
肩関節後方に軽度の圧痛を認める。
可動域は正常範囲内で、Neer、Hawkin、Scarf、Obrienの各テストの結果は陰性。
以上の所見からQLSと診断
○方法
腹臥位で肩関節外転位。
①プローブを肩甲骨肩甲棘に対して垂直に置いた。
②肩甲棘は、棘上筋窩と棘下筋窩とを区別するための目印として使用した。
棘下筋窩は、棘下筋と小円筋が筋腱接合部の断面図を視覚化した。
③プローブを、小円筋が中心にくるまで下方向に動かし、後回旋上腕骨動脈が見えるようになるまで遠位方向に動かした。
後方回旋上腕動脈の可視化は、ドップラー機能を利用した。
腋窩神経を遮断するために、針を生の超音波下で以前に確認された空間に誘導した。
不注意による血管内注射を回避するために、後回旋上腕骨動脈の可視化を維持した。
○結果
四辺形空間の超音波ガイド下局所麻酔ブロックを行い、疼痛は100%軽減した。
<コメント>
QLSの撮影手順が非常にわかりやすく、エコー画像もイラストと合わせて書いてあり、イメージしやすかった。
QLSを構成する筋の観察にもこの方法が活かせると考えられる。
sho'sめも
Quadrilateral space(QLS)
上腕骨外科頸の内側、上腕三頭筋長頭の外側、小円筋の下縁、大円筋の上縁に囲まれた四辺形の領域。この四辺形間隙から腋窩神経と後上腕回旋動脈が出る。