超音波画像診断装置を用いた棘上筋のCSA測定
<論文>
Schneebeli A et al:Rehabilitative ultrasound imaging of the supraspinatus muscle: Intra- and interrater reliability of thickness and cross-sectional area. J Bodyw Mov Ther. 2014 Apr;18(2):266-72.
<なぜこの論文を選んだか>
棘上筋の筋厚を測定した論文は散見されるが、断面積(CSA)の信頼性を測定した論文であり、どのレベルで撮影し、どの程度の信頼性があるのか知りたかったから。
<概要>
○目的
リハビリ超音波イメージング(RUSI)を使用し、棘上筋の筋厚と断面積(CSA)測定値の検者内・検者間信頼性を検討すること。
○対象
健常成人25名(男性11名、女性14名)
○方法
検者2名
超音波Bモードを測定し、棘上筋の筋厚とCSAを測定
プローブ位置:筋厚・CSともに棘上窩の内側端から2cm外側のレベルで測定
信頼性の評価:ICC、Bland-Altman plot、95%confidence intervals(95%CI)
○結果
筋厚のICC:検者内0.85-0.95
検者間0.85
CSAのICC:検者内0.74-0.94
検者間0.7
<コメント>
筋厚はおおよそどの論文を読んでも信頼性が高い事がわかる。
CSAにおいても検者内の信頼性は非常に高く、臨床的に有用であることがわかった。
検者間に関しても中等度の信頼性があり、この点に関しては、検者の習熟度に左右されると思われる。
sho'sめも
・Bland-Altman plot
測定値に系統誤差が混入しているかを検討する手法の一つ。
(系統誤差:真の値に対して一定の偏った傾向を持った誤差(バイアスと同義)のこと)
・95%Confidence intervals
95%信頼区間とは、95%の確率で母平均がその範囲に含まれることを表している。