超音波画像診断装置を用いた肩甲上腕関節の偏位の評価
Rathi S et al:Measurement of glenohumeral joint translation using real-time ultrasound imaging: A physiotherapist and sonographer intra-rater and inter-rater reliability study. Man Ther. 2016 Dec;26:110-116
<なぜこの論文を選んだか>
肩甲上腕関節の偏位の評価を定量的にすることは非常に難しい。その評価を超音波を使ってどのように評価しているのか興味があったから。
目的
理学療法士が超音波を用いた肩甲上腕関節の前方および後方偏位の測定における信頼性を評価すること
健常成人12名
等尺性内旋運動および外旋運動中の偏位を測定した。
測定は理学療法士と熟練した超音波検査技師によって行われた。
中間位と外転位、前方移動と後方移動をそれぞれ測定した。
検者内・検者間信頼性は級内相関係数(ICC)および標準誤差(mm)を行った。
結果
検者内信頼性:Phisiothrerapit:ICC=0.86-0.98
Sonographer:ICC=0.85-0.96
検者間信頼性:ICC=0.50-0.75(中程度~良好)
前方偏位測定:ICC=0.31-0.53(低~中程度)
MDs=0.2~0.3mm
後方偏位測定:ICC=
MSs=0.1~0.2mm
コメント
検者内の測定においては高い信頼性があったため、肩関節障害症例の病態運動学として上腕骨頭の運動異常を評価する上で有用である。